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蟻通神社ブログ

 お伊勢まいりその2

<神宮におまいりして>


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   五十鈴川の宇治橋の手前の鳥居

 天照大御神は「五十鈴の川上に鎮座した」と伝えられています。五十鈴川は、皇大神宮を俗界から隔絶していると考えられています。内宮は、簡単に近づくことができない神聖な土地で、鎮座当初は、宇治橋は、存在しなかったそうです。
 
 最も尊い大御神に対しては、「敬して遠ざく」という日本人の神聖観が根本にあるからだそうです。本当に神聖なるものは、極力触れないようにする態度、それに触れないからこそ神聖であり、みだらに窺い、語らないからこそ聖なる価値が守られるということです。

 今回、神宮におまいりした写真を撮らせていただきましたが、本当は、畏れ多いことなのかもしれません。なんでもオープンにし、カメラを向けなければ気が済まない現代人の感覚を少し改めて、深い慎みの心を取り戻さねばならないですね。

 宇治橋の起源は定かではないそうですが、存在が確認できる最古の文献は、室町時代の書物に記されているそうです。
 当初、神宮は、皇室の祖先神をお祀りしていているので、個人が、随時参拝するような場所ではなかったそうです。しかし、時代が降りると庶民の伊勢参宮が行われるようになり、橋が必要とされ、出現したのが宇治橋です。

 この橋をわたることで、聖なる領域に庶民が立ち入ることができるようになり、国民全ての親神として親しまれる場所となっていったのです。

 小学校の修学旅行ではじめて伊勢神宮におまいりして以来、何度かご参拝させて頂いています。大人になるずつ、一つ一つのものに、尊い歴史があって、たくさんの人の御心で優れた伝統が引き継がれてきたことをもっと知りたいなと思うようになりました。

 神宮の広い長い参道を歩いて、御正宮の前に立つと、あまりにも荘厳で、言葉に表現できない神々しさ、清々しさを感じました。大変、気持ちの良い一日でした。
   
  参考文献:「お伊勢さんの遷宮」・「宇治橋ものがたり」
      
お宮の四方山話 蟻通神社の権禰宜 2011年03月07日

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